慣れ親しんだ「紙とペン」、手書きのワークフローを変えずにデジタル化

» 2020年02月28日 10時00分 公開
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 働き方改革の機運が高まる中、既存業務をいかに効率化するかは、多くの企業で喫緊の課題となっている。これまで紙で行っていた業務を、デジタルツールを活用することでIT化する動きは進んでいる。しかし、実際には「紙に手書き」している業務はまだまだ多く、紙に書かれた手書き情報の電子化とデータ入力には多大な時間とコストがかかっている。

 そこで近年、あえて紙やペンを使った従来のフローを生かしたまま、業務を効率化するツールが登場してきている。ワコムの「Bamboo Slate(バンブースレート)法人向けモデル」(以下、Bamboo Slate)だ。

photo 紙とペンを使ったワークフローを変えずに業務を効率化できる「Bamboo Slate」

 Bamboo Slateは、専用ペンで普段使用している普通紙に書かれた、手書き情報がすぐに電子化される。アプリケーションと連携することで手書き文字も自動でテキストデータ化して、システムに取り込むことができるので、既存のワークフローを変えずに業務を効率化できる。

photo Bamboo Slateの利用イメージ。クリップボードと同じように紙を乗せて、そのまま書くだけでいい

 では、具体的にどんな業務を効率化できるのか。Bamboo Slateを試験的に導入した結果、24時間かかっていた集計作業を2時間に短縮できる見通しが立った、電巧社の例を見てみよう。

膨大な検品・集計業務を、手書きのまま効率化

 電巧社は、ビル用の電気設備などを販売する商社であると同時に、配電盤や制御盤などを手掛けるメーカーとしても活躍する老舗企業だ。東芝など、国内大手電機メーカーのビジネスパートナーとして、製品の製造や整備も行っている。

photo 業務効率化に乗り出した電巧社のメンバー。右から早川清貴さん(製造部品質保証・フィールド課 課長)、山下光晴さん(製造部 部長)、高橋敦史さん(SI事業部執行役員 技術部長 兼 システム開発推進課課長)、梅田正幸さん(執行役員環境ソリューション担当)、福田美保さん(社長室 秘書 広報担当)

 配電盤のように大掛かりな製品を完成させるには、さまざまな項目をチェックし、不具合がないか確かめる検品作業が欠かせない。しかも、検品に使う帳票は企業や製品ごとに違う形式の紙と決まっていて、最終的に発注元へ送らなければいけないため、作業が大変だからといって形式を変えたり、ペーパーレス化したりするわけにはいかない。

photo 紙の帳票に1つ1つチェックしていく必要がある

 一方で、製造メーカーとしてはどんな不具合がどれだけ発生したか、どんな調整を加えたかなどを記録しておきたいという思いもある。このため電巧社では、現場の担当者が月ごとに大量の帳票をコピーし、全てのデータを手作業で入力・集計していたという。電巧社の早川清貴さん(製造部品質保証・フィールド課 課長)は「作業量は膨大で、多い時はデータ入力だけで24時間――日数にすると3日間ほど掛かっていた」と話す。

 同じく製造部の山下光晴部長も、働き方改革を推進しようと、部内の作業効率を下げているものや残業を増やしている原因を洗い出す中で、この問題を発見。時間や人的コストがかかるのはもちろん、担当者の負担が大きいことから、早期解消が必要だと対策に乗り出した。

 「担当者はこれまで、現場仕事が終わって一息つきたくても、事務所に行けば今度は入力作業が待っている……という状態で、身体的にも精神的にも負担が掛かっていた。できれば現場だけで書類作業を完結できるようにしたいという思いがあった」(山下部長)

 なんとかして「所定の帳票に手書きで検品する」というワークフローを保ったまま、集計業務を効率化できないか――。そう考え、まずは社内のSI事業部に相談。「手書き」をキーワードに最適なツールを検討してもらった結果、行き着いたのがワコムのBamboo Slateと株式会社ALCONTAが開発している「onboard」というBamboo Slate対応アプリだった。AI-OCRと比較した場合、価格面でも優位性がある。さらに、手書きデータの変換もOCRやAI-OCRと違って、紙をスキャニングする必要もない。

 「これなら、今までの業務フローとやることはほとんど変わらない。現場の担当者に負担をかけることなく、デジタル化できるのではないかと考えた」(早川さん)

 onboardではあらかじめデータ化したい帳票の画像を取り込み、その上に手書きの内容を反映していくため、帳票を一切変更することなくそのままデータ化できるからだ。

 これなら帳票の形式が突然変わっても、画像を取り込み直せばすぐに反映できる。検品担当者には同じ形式の帳票を載せたBamboo Slateを渡して、いつも通り作業をしてもらうだけ。あとは手書き情報をアプリに飛ばせば、紙に書いたのと同じ内容が反映されるため、集計作業のたびにわざわざ帳票を1枚1枚スキャニングすることも、データを入力し直すこともない。

photo 紙の帳票に書いた手書き情報が電子化及びテキストデータ化されるイメージ

 実際に10人の品質管理担当者に使ってもらったところ、「作業は手書きのままでいい」ということもあり、戸惑いなく受け入れてくれる人が多く、「癖のある字でも思っていた以上に認識してもらえる」など好意的な意見も出ているという。早川さんによると、Bamboo Slateを本格導入すれば、これまで24時間掛かっていた入力作業は2時間ほどに短縮できる見通しだ。

 「できるならBamboo Slateだけで書類作業を完結できるのが望ましい。わざわざデスクに戻ってPCを立ち上げて……という作業をゆくゆくはなくせたらと考えている」(早川さん)

 山下部長も「活用が進み、入力作業を効率化するだけでなく、どの製品、どの作業で、どんなミスがあったのかのデータを集計・分析できるようになれば、同じようなミスも減らせるはずだ。最終的には、現場全体の業務効率化や、品質管理にもつなげたい」と期待をかける。

 今後は本体とタブレットの接続に慣れてもらったり、「どこまで作業したタイミングでデータを保存するといいか」といった使い方を検証したりしながら、本格導入に向けて実験を続けるという。

「まだまだ紙が必要」な全ての現場へ

 電巧社では製造現場でBamboo Slateを活用していたが、ワコムによれば紙とペンを使う業務なら、幅広い業種・業界で利用できるという。同じく製造業での分析、施工記録、製造日報や医療機関における問診票の記入、イベントなどのアンケート活用といったように、データ入力や集計の手間を省くことができるだろう。

 ペンと紙さえあれば、すぐに書き残しておけるという利便性は、手書きでしか得られない大きなメリットだ。だからこそ、多くの現場でまだまだ業務は紙の文書を中心に回っている。いくらデジタルツールを活用した業務のIT化が進んでいるからといって、安易に「紙をなくしてしまおう!」と判断する必要はないだろう。担当者のリテラシーや現場の業務プロセスによっては容易に業務効率化に結び付かないケースもあるからだ。

 Bamboo Slateの最大のメリットは「紙とペンだから誰でも使える」ことだ。IT化やペーパーレス化ソリューションは数多くあるが、業務担当者の使い勝手が悪ければ劇的な業務時間短縮やコスト削減は実現しない場合もある。その点、Bamboo Slateは入力や操作が簡単であり、ワコムが長年こだわってきた人間の直感的で基本的な操作性そのものである。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2020年3月27日