業務効率と顧客体験を一挙に向上 金融DXを加速させる「手書きサイン」ソリューションとは?デジタルなのに、まるで「紙とペン」

» 2022年10月27日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
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 金融・保険業界は紙ベースの業務が多く、業務効率化を阻んでいるとともに顧客体験を損なう一因となっている。また、昨今では他業種からの参入なども加速しており、手続きやサービスのオンライン化も急激に進む。加えて、コロナ禍を受けたDX化の波にももまれている中、同業界が生き残るためには、どういった手を打つべきなのだろうか。

 ここでヒントとなるのが、液晶ペンタブレットを扱うワコムのソリューションだ。同社では、特殊な技術を用いてまるでアナログの「紙とペン」のような書き心地を実現している液晶ペンタブレットだけでなく、金融・保険業界で課題となっている紙業務からの脱却に活用すべき電子サイン用のソフトウェアなどを幅広く提供。「サイン」を軸に金融・保険業界のDXをサポートしている。

 既にワコムのソリューションを導入した銀行では、業務量を6割削減したり、顧客の待ち時間を半減させたりと、劇的な効果が生まれているという。そこで本記事では、ワコムの中逵隆司氏(ビジネスソリューションジャパン シニアディレクター)と松本研吾氏(同BSセールス エンタープライズ)に話を伺い、同社のソリューションや金融・保険業界での活用事例を深掘りしていく。

 ワコムはクリエイティブユーザー向けの液晶ペンタブレットやデジタルインクソリューションにおけるリーディングカンパニーだ。

 中逵氏は、自身が所属するビジネスソリューション事業本部について次のように話す

 「当事業本部のミッションは、当社が持っているコアテクノロジーをさまざまなビジネスシーンに合わせて提供することにより、新たな体験や価値を社会に広げていくことです」

 ビジネスセグメントは幅広い業界に展開しており、金融領域をはじめ、宿泊領域では宿帳への記入・署名、小売り領域だとクレジットカードの決済サインに対応。公共領域だと、自治体などの窓口で扱う書類やマイナンバーカードの発行業務、医療での電子カルテ入力や同意書へのサイン、さらにはオンライン教育でも活用されるなど、活用事例は非常に多岐にわたる。意外なところだと、警察署で110番通報を受けるコールセンターや全国の裁判所にある証言台にも同社のソリューションが導入されているそうだ。

ワコム資料より

金融業界が抱える“板挟み”の課題とは?

 さて、ここからは特に引き合いが強いという金融業界での活用にフォーカスする。コロナ禍においてリモートワークが普及し、各企業のDXが促進される中、金融業界も例外ではなかった。中でも同業界は窓口業務や営業活動など、直接人と人とが接触する機会が多く、この部分を効率化するニーズがあるのだという。

 とはいえ、顧客とのコミュニケーションが薄くなってしまっては、売り上げに影響が出たり、トラブルの原因になったりしかねない。効率化する一方で、円滑なコミュニケーションを維持する必要がある、ということだ。中でもハンコを巡り、次のような課題があるという。

 「金融業界にとどまらず、日本には根強い“ハンコ文化”があります。昨今、あらゆる領域でDXがかなり進み、金融機関でも『もうハンコの時代ではない』という機運が高まりつつある一方で、まだ利用者の意識がそこまで追い付いていないのが課題だと捉えています」(中逵氏)

 中逵氏によると、特に高額な商品を購入・契約する場合、ハンコを押すことで当事者として意思を表現する、と考えているユーザーがまだ多いそう。つまり、タブレット端末で金融商品や保険商品の説明を受け、いざ契約の際に同意ボタンを押すだけでは、本当に契約できているのか不安に感じたり、契約した気にならなかったりというケースがあるのだ。特にシニア層でこうした傾向があり、デジタル化・ペーパーレス化という企業側のメリットと顧客の利便性がトレードオフになる事態が顕在化している。

 金融業界が抱えている課題はコミュニケーションだけではない。紙業務も壁となっている。

 例えば、保険商品の申し込みを受け付ける業務では、顧客に詳細を説明する必要がある。その上で申し込みに必要な書類を記入してもらうのだが、この作業負担が大きいのが課題だった。銀行側は顧客情報をある程度把握しているにもかかわらず、申込書には顧客が一から手書きする必要があり、手間も時間もかかる。銀行側も、書類内容をPCへ転記する作業が発生する。その他の窓口業務でも同様だ。顧客は預金の入出金や振り込み、税金の納付など目的の手続きに応じて異なる書式を選び、手書きしなければならない。

デジタルなのに「まるで紙とペン」 顧客体験を損なわない電子サインとは

 ここまで紹介した金融業界の課題に対して、ワコムが提供しているのが、液晶ペンタブレットであり、ハンコの代替先としての電子サインソリューションだ。サインは昔からクレジットカードを利用する際に使われており、ハンコと同様に自分の意思を表現する手段として広く認知されている。そのため契約の最後に、押印の代わりに液晶ペンタブレットを使いサインすることによって自らの意思を表現してもらい、エンドユーザーの購買体験を損なわず、かつ業務をデジタル化することが可能になる。

 ワコムの液晶ペンタブレットの特徴は、なんといっても実際の紙とペンで書くのと変わらない書き心地にある。例えば、PC上のペイントアプリで何かを書いてみようとしても、マウスでは使い勝手が悪いし、電子ペンを使って通常のタブレットに書くにも、なかなか滑らかにはいかない。その点、ワコムの電子ペンと液晶ペンタブレットなら、滑らかに書ける。

 また、電子ペンでタブレットに何か書くときは、どうしても持ち手の小指側の部分が画面に触れてしまい、誤作動などを起こしがち。一方、ワコムの液晶ペンタブレットではこの問題は発生しない。

 「当社の強みは電子ペンに電磁誘導(EMR)方式を採用していることです。センサーボードを液晶の下に仕込んでいて、電子ペンの方に微弱な信号を送っています。一般的なタブレットのタッチパネルとは異なるセンシング方式を採用しているので、手が画面に触れても、電子ペンでの操作に影響しません。さらに、電子ペンには電池やバッテリーが入っていないのも特徴です。電力供給もセンサーボードから行うので、充電などのメンテナンスも必要ありません」(中逵氏)

ソフト面でもさまざまなソリューションを展開 最近では筆跡鑑定ツールも

 ここまでハードウェアの特徴を紹介したが、ワコムはソフトウェア面でも大きな優位性を持っている。デジタルインクデータを表示・保存するための「WILL(Wacom Ink Layer Language)」という規格を定め、電子サインの取り込みや検証をするツールを備えた開発キット(SDK)の「Wacom Ink SDK」やPDFに手書き入力・サインを簡単に行えるアプリ「sign pro PDF」などを提供している。

 電子サイン機能をシステムへ簡単に搭載できる開発キットであるWacom Ink SDKは、これまでPCにインストールするのが主流だった。しかし、金融業界ではセキュリティのためにシンクライアントやWebアプリの利用が増え、端末にデータを残さないのがトレンドになっている。そこで、21年にWacom Ink SDKのJavaScriptバージョンをローンチしており、これから金融機関へ順次提案していくという。

 さらに21年に本格的に提供を開始した「Wacom Ink SDK for verification」は、筆跡を解析し、本人がサインしたのかどうかをチェックできる。契約後にトラブルが起きた場合など、サインを照合する際に活用するのだという。単にサインの「形」だけを判断するのではなく、筆順、筆圧、記入速度や空中動作といったポイントまで解析するというから驚きだ。

業務負担は65%減、顧客待ち時間は半減! 銀行で進む活用

 実際にワコムのソリューションを導入した活用事例を紹介してもらった。

 まずは、甲府市に本店を構える山梨中央銀行のケース。従来、同行では、顧客が記入した伝票のチェックや処理、現金の授受といった業務に手間がかかっており、来店した顧客の待ち時間が長くなりがちという課題を抱えていた。そこで「Wacom One 液晶ペンタブレット 13」を300台導入し、うち200台をハイカウンターに設置。セミセルフ操作型の入出金機も開発し、来店者の伝票記入と現金授受のミスをなくし、行員のオペレーションを削減した。

 「導入効果として、紙伝票に関する一連の業務負担が、従来比で65%削減されました。経営課題として山梨中央銀行さまが掲げている『事務ゼロ』を推進でき、営業店の生産性を大幅に向上できたと伺っています。加えて、紙伝票を書く負担が減り、待ち時間も短縮され、来店者様の満足度も向上しているようです。21年7月から一部支店で運用が開始されたばかりですが、23年中には全店舗の窓口に設置される予定です」(松本氏)

同前

 その他、松山市に本店を構える伊予銀行では、保険契約業務にワコムのソリューションを導入することで、ペーパーレス化を実現。申込書記入に関する顧客負担の削減にも寄与し、従来は一連の業務に2時間ほどがかかっていたところを、半分の1時間ほどへ短縮することに成功した。業務効率化と顧客満足度の向上を両立した好例だ。

 このように、金融業界でワコムのソリューションは大きな導入効果を出しており、費用対効果が高いといえる。社内における業務効率化やデジタル化と、社外に対する顧客体験の向上。この点に悩む企業があれば、ぜひワコムに相談してみてほしい。

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提供:株式会社ワコム
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia ビジネスオンライン編集部/掲載内容有効期限:2022年11月26日